623 名前:678『男性の……』2/3 :04/06/18 15:07 ID:T2ihVMAW
人差し指の先が『彼女』のお尻に達したところで、私はぐっと指に力を込めた。
ふにっ、と指先がドレスのシルクを押し込み、柔らかい肉に埋まっていく。
そのまま指先だけでゆっくりと、お尻を揉みほぐしてあげる。
『彼女』の腰がひくりと動く。
構わず、今度は掌全体を押しつけ、下から持ち上げる感じでやわやわとドレスごと揉みたてた。
「ん……」
脚にぎゅっと力が入り、ドレスのスリットが割れる。
すかさず私はスリットから、内側へと手を差し込んだ。
『彼女』はストッキングを着用していない。
よく締まった太腿の感触、それにショーツの布地のすべからさが、私の指を楽しませた。
「んっ……」
身じろぎとともに、豊かな『彼女』の乳房がふるっと揺れた。
菱形に胸元が開かれている赤いドレス。そこから覗いている肌は、わずかに紅を帯びている。
その肌に目を奪われ、かっと頬が熱くなる。
――どの程度の柔らかさを、雪肌のふくらみは有しているのか。
――どの程度の刺激を与えれば、先端部に位置する蕾は花を開いてくれるのか。
そんな知識がありありと頭の中に浮かぶ。
知識だけじゃ足りない。今すぐにでも、あの胸を掴み取り、めちゃめちゃにしてやりたい。
そう、私を虜としているのはいわば「男性」の欲望だった。
だが流石に、電車内でそこまで手を伸ばしてしまう訳にはいかなかった。
私は断念して、次の行動に移った。
「……!」
金属の刃が、腰の左側に当てられる。
その冷たい感覚に、『彼女』の顔色がさっと変わった。
あらかじめ用意しておいた、小型のペーパーナイフだ。
きっとこちらをにらむ『彼女』。そこまで許してはいない――と伝えたいのだろう。
その焦りの感情は、しかしかえって私を昂ぶらせた。
624 名前:678『男性の……』3/3 :04/06/18 15:09 ID:T2ihVMAW
今さら抵抗できるものなら、してみせればいい。
この車内は「異空間」だ。2人の力関係は、日常生活とは変わってしまっているのだ。
勝ち誇ったような笑みを唇の端に乗せて、にらみ返す。
激突する視線。数秒後――諦めたように『彼女』は視線を逸らした。
予想させた通りの結果。私は驚きもせず、自分の作業を続ける。
――ぷつり。
その音は耳では聞こえない程の大きさだったが、私にははっきり聞き取れた。
おそらく『彼女』にとっても同じだろう。
鉄の刃はわずかに力を込めるだけで、無力な薄布をあっさりと切断してしまっていた。
そして……腰の右側でも。
引き締まったヒップから、張力を失った純白のショーツがはらりとはがれ落ちる。
私はその布を素早く奪い、自分のスカートのポケットに押し込んだ。
頼んで一度着せてもらった事があるが、このドレスには相当深くスリットが入っている。
アクティビティ、特に蹴りを放てる状況を優先した結果であろう。
だがおかげで下半身の風通しはかなりのもので、私などはスースーと頼りなく感じたものだった。
それを今、ドレスの下の唯一の下着まで、私がはぎ取ってしまった。
もはや『彼女』の感覚では――股間も、お尻も、裸にされたも同然のはずだ。
しかも私の指は、すでにドレスの内側に侵入して、いいように動き始めている。
どんな破廉恥な事をされようが、『彼女』にもう妨害の術はない。
まして周囲は私一人ではなく、何十人何百人の見知らぬ男達の視線にも囲まれているのだ。
「あ……あ……」
『彼女』の目は、すでに泳いでいた。
困惑、不安、羞恥――そんな感覚に押し潰されそうになっているに違いなかった。
さて……『彼女』は何分間、耐えられるのだろうか?
私の中の「男性」が笑みを浮かべる。楽しい時間になりそうだった。