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happy,happy,birthday

  1. 名無しさん@閑古鳥 2004/10/11(月) 02:38:00
    250 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/11(月) 02:38:59 ID:DBfE/Qrx
    633師スズメバチのお礼参り乙
    カンナはいいなあ。誕生日一緒なんだよな・・・。

    251 名前:happy,happy,birthday (1)[sage] 投稿日:04/10/11(月) 16:37:05 ID:Af3BUnb1
     10月10日、6人が一緒に暮らし始めて初めての、息子[250]の誕生日。

    「[250]さん、お誕生日おめでとう」
    「……おめでとう、ございます……」
    「おめでとう」
    「おめー!」
    「おめっとさん」
     ママたちはお祝いの言葉とともにそれぞれが、きれいに包装されたプレゼントを[250]に差し出した。
     テーブルの真ん中には、歳の数だけろうそくが立てられた、直径50cmはあるケーキが置かれ、それを囲むように、ママたちが腕によりをかけた豪華な食事が並べられている。
    「うん……みんな、ありがとう」
      少し涙を浮かべながらお礼を言う[250]を、ママたちは優しい笑顔で見つめていた。

     そんな幸せそうな光景を、カンナは窓の外から覗き込んでいた。
    「……うぅぅ~、なんだか楽しそうですわ~」
     今日はカンナも誕生日。しかし、カンナにはそれを祝ってくれる人はいない。
     独りが寂しくて、目的も無くふらふらと町をうろついていたカンナは、なぜかここに来てしまっていた。
    「く、悔しくなんか無いですわっ! 支配者とは、独りで来たりて独りで去り行くもの。未来の支配者たるカンナには、孤独こそがふさわしいのですわ!」
     涙目で力説されても、まったく説得力が無い。

     と、そんなカンナの後ろから、何かが音も無く近づいてきた。
    「……はっ、殺気!?」
     気配に気付いた時にはすでに遅く、抵抗する間もなくカンナの胴と四肢はマジックハンドに拘束されてしまった。
    「ちょ、ちょっとナンですの!? 離すですの~!!」
     むろん、離せと言われて離すはずもない。
     マジックハンドの1本が窓を開けると、カンナはそこから家の中に投げ込まれた。 

    252 名前:happy,happy,birthday (2)[sage] 投稿日:04/10/11(月) 16:38:15 ID:Af3BUnb1
    「……いたたた。もう、何だっていうんですの?」
     頭から中へ突っ込んだカンナが、ぶつけた額をさすりながら顔を上げた瞬間、
    「カンナさん、誕生日おめでと~!」
     の声とともに、パーン! パンパパーン! と、一斉にクラッカーの音が鳴り響いた。
    「えっ? えっ?」
    「さぁ、カンナさん。こちらへどうぞ」
     むつきが、紙テープに埋もれながら、何が起こったかわからずオロオロするカンナを、[250]の隣の席に座らせた。
    「……あ、あの……コレはいったい……?」
     少し警戒気味に訊ねるカンナの疑問に、みんなが笑顔で答える。
    「きさらぎさんに聞いたけど、カンナさんも[250]さんと同じで、今日が誕生日なんでしょう?」
    「だからねー、どうせだから、みーんなで一緒にお祝いしちゃおってことになって」
    「んで、準備して待ってたってワケだ」
    「……捕まえようと所在をモニターしたところ……こちらに向かっているようでしたので……到着を待って、拘束しました……」
    「突然ですみません。ないしょにして、びっくりさせようと思って……。あのぉ、もしかして怒ってます?」
     うつむいて黙りこくってしまったカンナの肩が、かすかに震えているのを見て、みんなが心配そうに覗き込む。
     と、ひざの上で握り締められたこぶしに、水滴がひとつぶ、ふたつぶと落ちた。
     それに気付いたカンナは、すごい勢いでごしごしと目をこすると、がばっと顔を上げた。その表情は、目が赤いことを除いて普段のカンナのものになっていた。

    253 名前:happy,happy,birthday (3)[sage] 投稿日:04/10/11(月) 16:38:38 ID:Af3BUnb1
    「ふ、ふん。別にカンナが頼んじゃワケじゃありませんケド、そこまで仰るなら、お祝いされて差し上げますわ」
     必死に強がるカンナを、みんな微笑ましく見つめている中、[250]が小さな包みを取り出した。
    「じゃぁ、はい、コレ」
     差し出された包みを、カンナがおずおずと受け取る。
    「あの、コレ、は……?」
    「もちろん、誕生日のプレゼントよ。私からははい、コレ」
    「うづきはこれ~。ちょっと大きいけど、重くないからね」
    「んで、オレの分、っと」
    「……私は、これを……」
    「むつきからはこれを。気に入っていただけるといいんですけど」
    「……ありがとう……ありがとう」
     プレゼントを胸に抱きしめ、そう呟いたカンナは、今度は本当に泣き出してしまった。
     きさらぎがハンカチでその涙を拭っている間に、真ん中のケーキには、カンナの歳の分のろうそくが立てられていった。
     ケーキ上に立てられた合計40本前後が、一斉に火を灯す光景は、まさに壮観の一言であった。
    「さ、二人で一緒に、ろうそくを吹き消してください」
     むつきに促されて、[250]とカンナが頬を並べると、すぅっと息を吸い込み、一瞬止めてからその息を一気に吹き出す。
     さすがに一息で全部とはいかなかったものの、二人でなんとか全て消し終えると、ママたちから拍手が起こる。
     そしてやよいの言葉で、パーティーが始まった。
    「それじゃぁみんな、今日は無礼講ってことで、派手にやりましょ!」

    254 名前:happy,happy,birthday (4)[sage] 投稿日:04/10/11(月) 16:39:14 ID:Af3BUnb1
     街頭の照らす道を、[250]とカンナは並んで歩いていた。
     結局パーティはいつも通りの騒ぎとなり、今はきさらぎが、酔いつぶれた他の4人を介抱している。
     すでにかなり遅い時間になっていたので、[250]はきさらぎから、カンナを送り届ける役目を仰せつかったのだ。
     しばらくは二人とも黙って歩いていたが、ふと、カンナが口を開いた。
    「……ひとつ聞いても、いいですの?」
    「ん、なに?」
    「どうして、カンナも一緒にお祝いしようなんて思ったんですの?」
    「どうしてって……カンナさんの誕生日なら、そりゃ当然お祝いしようって思うよ」
    「でも……カンナは[250]サンとは、そんなに関わりがあるわけじゃ……」
    「そんなことないよ」
     [250]はカンナの言葉をさえぎると、屈託の無い笑顔を向けた。
    「きさらぎママも、俺も、他のママたちも、カンナさんの事は家族同様に感じてるから。関わり無いなんてことないよ」
     それを聞いたカンナは、何も言わずうつむいたまま、夜の道を歩き続けた。

    255 名前:happy,happy,birthday (5)[sage] 投稿日:04/10/11(月) 16:39:46 ID:Af3BUnb1
     研究所の入り口に着くと、何かを決意したような表情で、カンナは[250]の向き合った。
    「そういえば、カンナはまだ[250]サンにプレゼントをお渡ししていませんでしたわ」
    「別に、そんなの気にしなくていいのに」
    「そういうわけにはまいりませんわ。[250]サンにも、カンナからのお祝いをしっかり受け取っていただきますわ」
    「はいはい、わかったよ」
     [250]は、苦笑いを浮かべながらカンナの申し出を了承した。
    「では、両手を出して、それから目をつむっていて欲しいですわ」
    「了解、これでいい?」
     目を閉じた[250]の顔に、ゆっくりとカンナの顔が近づいていく。[250]が顔に温かい息吹を感じ、おやっと思った瞬間、カンナの唇が[250]の唇に触れていた。
     [250]が慌てて目を開けるのと同時に、研究所に飛び込んだカンナが入り口の扉を閉じる。
     予想外の贈り物に、しばし立ち尽くしていた[250]だったが、はっと我に返ると、扉の向こうにいるカンナに向かって叫んだ。
    「カンナさん! プレゼント、確かに受け取ったよ。ありがとう!」
     中から、カンナの上ずった声が聞こえる。
    『カ、カンナは、殿方と口付けを交わすのは初めてなのですわっ! とってもとっても貴重なものですから、だ、大事にして欲しいですわっ!』
    「わかってる、大事にするよ。……じゃ、カンナさん、またね。あ、俺ん家にはいつでも遊びに来てもらっていいから。じゃぁね」
     扉の向こうからは返事は返ってこなかったが、言葉は届いていると確信した[250]は軽く手を振ると、踵を返し帰路に着いた。

     [250]が帰ると、カンナは扉に背もたれながら、腰が抜けたように玄関に座り込み、はぁ、と溜息をついた。
     そして、かたわらに積まれたみんなからのプレゼントを取ると、愛しそうに抱き続けるのだった。
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