FC2ブログ

[PR] [PR]


スポンサーサイト

  1. 名無しさん@閑古鳥 --/--/--(--) --:--:--
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

1GB![ ]



トラックバックは受け付けていません

  1. 閑古鳥の巣 --/--/--(--) --:--:--
    次の記事
    http://kankodoriwatcher.blog12.fc2.com/blog-entry-36.html
    前の記事
    http://kankodoriwatcher.blog12.fc2.com/blog-entry-34.html

[PR] [PR]


  1. 名無しさん@閑古鳥 2003/07/09(水) 10:10:00
    648 名前:636/01[sage] 投稿日:03/07/09(水) 10:10 ID:4uluYzNb
     その日その朝、仁歳チトセは何時もの如く学園への道を歩いていた。
     遅刻・サボタージュ・自主休校の常連だったチトセも、今ではすっかり普通の高校生な生活を送っている。
     それもこれも、家に居着いた五人のお目付け役のおかげであった。
     いくら「天上天下唯我独尊」を地でいくチトセであっても、学園教師五人の管理下にあってはそれほど好きに出来るはずも無く。
     今朝も盛大な見送りを受けながら、渋々家を出てきたのであった。

    「……かったりぃなぁ。このままサボって海にでも行くかなぁ……」

     と、口には出してみるものの、足は律儀に学園へと歩を進めている。
     別に誰に何を言われて、気にするチトセではない、しかし。

    「……サボると思いっきり悲しそうな顔するんだもんなぁ、むつきママ……」

     そう、そんなチトセでも、担任であり今は自分の”ママ”でもある一文字むつきにだけは、頭が上がらない。
     同じく”先生”で”ママ”な他の四人に対してはそれほどでもないのだが、とにかくむつきだけは、ある意味チトセにとっての「苦手なモノ」なのであった。

    649 名前:636/02[sage] 投稿日:03/07/09(水) 10:11 ID:4uluYzNb

    「はぁ~~~……」と大袈裟に溜め息をつきつつチトセが大通りに出ると、
    BuLoLoLoLoLoLooooo!!!
    と、爆音を響かせながら、一台の自動車が交差点を曲がり、猛スピードでこちらに向かって来るのが目に入った。
    「なんだ、朝っぱらから気合入ってんなぁ」
     チトセが何気なくその自動車を見ていると、
    HuM HuM HuM HuM !!!
     それを追いかけるように、交差点の角からいきなりヘリが姿を表す。
    「な、なんだなんだぁ!」
     チトセはもちろん知るはずもないが、そのヘリは米陸軍が使用し、陸自にも採用が決まっているAH-64D、通称「アパッチ・ロングボウ」と呼ばれる機体である。
     チトセがあっけに取られていると、そのヘリは爆走する自動車に向かって銃撃を開始した。
     機体の下から突き出ている30mmチェーンガンが火を噴く!
    VuWAooooM !!!
    ZiP! ZiP! ZiP! ZiP!
     その銃撃をかわそうとした自動車が、ハンドリングを誤ったのかスピンしながらチトセに向かって突っ込んでくる!
    「うわわわわわぁっ!」

     チトセが最後に見た光景は、
     回転しながら自分にぶつかって来る自動車と、
     その自動車から飛び出したチャイナドレス風の服を来た女性、
     そしてその女性がヘリに向かって何か(手持ち式地対空ミサイル)をぶっ放したところまで。
     その後は、ただ、闇ばかりであった……。


    650 名前:636/03[sage] 投稿日:03/07/09(水) 10:12 ID:4uluYzNb

     そこは、明るくもなく、暗くもなかった。
     どちらが上で、どちらが下なのかわからない。
     浮いている様でもあり、沈んでいる様にも感じられる。
     ただひとつわかるのは、今ここには自分しかいないということだけ。
    『……俺、死んじまったのかなぁ……』
     ぼんやりとした頭で記憶を手繰り寄せると、最後の光景がありありと思い出された。
     あのスピードで走っていた自動車の直撃を受けたのだから、それもやむなし、と、チトセは思う。
     ただ、不思議と冷静に「死」を受け入れようとしていることに、チトセは自分でも意外に感じていた。
     幼い頃、家族を一度に亡くしているチトセには、「死」が身近に存在することを、無意識に自覚していたのかもしれない。
     「死」を迎えること自体には、ある意味今まで世捨て人のような生き方をしてきたチトセにとって、別にどうという感情も無い、が……。
    『……また、むつきママ、泣かせちゃうかなぁ……』
     自分が死ぬことによって、今は悲しむ人がいる。チトセはただ、それだけが心残りだった。


    651 名前:636/04[sage] 投稿日:03/07/09(水) 10:13 ID:4uluYzNb
    「いいえ、あなたはまだ死んではいません」
    「……えっ?」
     誰もいないと思っていたこの場所に、突然女性の声が響く。
     驚いて目を見開くチトセの前に、柔らかな光をまとった女性の姿が現れた。
    「……誰、だ?」
     チャイナドレス風の服を着た女性。よく見ると、なにやら見覚えがある気がする。
     確かめようとじっとその顔を見たチトセが、思わず大声で叫んだ。
    「……ああっ、あんた、あの車から飛び出した!」
     そう、目の前にいるのは、あのぶつかって来る自動車から飛び出した女性であった。
    「はい。申し訳ありませんでした、あなたを巻き込んでしまって……」
     その女性の話によると、ある組織から逃げている最中に連中のヘリに見つかってしまい、追われている途中にあんなことになったそうだ。
    「人のいる場所なら派手な行動はしないと思っていたんですが……。まさか、市街地でまで発砲してくるとは……」
     端正な女性の表情が、苦悶に歪んでいる。なんとなく女性が気の毒になったチトセは、話題を代える事にした。
    「ま、まぁ、そっちにも色々込み入った事情がありそうだし、俺の方はまぁ運が無かったって事で。それよりも、ここって、何処なんだ?」
    「はい、ここは……簡単に言えば、あの世とこの世の間の世界、といったところでしょうか」
    「あの世とこの世の、間?」
    「はい」
    「う~ん、よくわからんけど、つまるところ俺って今、どうなってるワケ?」
    「本来ならあなたは、車に潰されて即死の筈でした。でも、これは私が犯した事。だから、私の魂をあなたに分け与えることで、あなたの命をつなぐ事にしたんです」
    「魂を、分け与える……って」
     どういうこと、と尋ねようとしたチトセであったが、それを問う前に、見えるものすべての輪郭がぼやけてきた。
     目の前にいたはずの女性の顔がだんだんと遠くなっていく。
     何か喋っているようなのに、もう声が聞こえない。
     そしてチトセの意識は、再び闇の中へと沈んでいったのだった……。


    652 名前:636/05[sage] 投稿日:03/07/09(水) 10:14 ID:4uluYzNb

    「…………トセ……! チ……さん! チ…セさん!」
     声が、聞こえる。聞きなれた、声。大事な人の、声……。
    「チトセさん! しっかり、しっかりして下さい! 目を覚まして! チトセさん!!」
     ああ、これ、むつきママの声だ。どうしたんだろ、そんなに慌てて。
     閉じた目に、眩い光を感じる。朝、なのかな?
     起きて学校行かなきゃ、な。遅刻なんかしたら、ママたちに怒られる……遅刻?
    「やっべぇ!」
     慌てて身を起こす。しかし、目の前に広がるのはいつも寝ているの居間の光景ではなく、
    「……あれ?」
     崩れた瓦礫が散乱している、通学途中の道の脇、であった。
    「……なんでこんなトコに寝てんだ? 俺」
     気が付くと、むつきママを始めとしてきさらぎママ、やよいママ、うづきママ、さつきママの五人が、心配そうな表情で俺の顔を覗き込んでいる。
     中でもむつきママの顔は、溢れる涙でぐちゃぐちゃになっていた。
    「ど、どうしちゃたのさ、みんなして」
    「……どうしたもこうしたも……心配、したんですよ、むつき、ホントに心配して……ううっ、うわぁぁぁぁん!」
     泣きながら抱きついてきたむつきママを、俺は、戸惑いながらも優しく抱き止めた。
     と、何やらおかしな違和感を感じる。
     泣きじゃくるむつきママの背中を、とんとん、と叩きながら、視線を下に移す。すると……。
    「……誰、これ」
     俺とむつきママに挟まれるように、小学生位の男の子が俺の身体にしがみついている。
     答えを求めてママ達の顔を見るも、
    「…………」
     誰も答えてはくれない。

     泣きじゃくりながらしがみつくむつきママ。
     謎の男の子。
     チャイナドレスの女の人。
     そして、死んだはずなのに生きている自分。

     だ、誰か、頼むから……俺がわかるように説明してくれ~~~!!!
    スポンサーサイト
    [PR]

    FC2公認の男性用高額求人サイトが誕生!
    稼ぎたい男子はここで仕事を探せ!

1GB![ ]


コメントの投稿

送信:

トラックバック

  1. 閑古鳥の巣 2003/07/09(水) 10:10:00
    この記事のトラックバックURI
    http://kankodoriwatcher.blog12.fc2.com/tb.php/35-27520a76
    次の記事
    http://kankodoriwatcher.blog12.fc2.com/blog-entry-36.html
    前の記事
    http://kankodoriwatcher.blog12.fc2.com/blog-entry-34.html
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。